微細塗布に適したディスペンサーとは

ディスペンサーとは、液剤を吐出する装置の総称で、動作原理により様々な種類があります。

一般的に広く使われるエアーパルス式は、構造が簡単で、メンテナンス性が優れていますが、エアーの応答性がわるいため、塗布量を安定して制御することができません。
スクリュー式を含めた容積計量式は、モーターの回転量で塗布量を制御することができますが、キャビティー内の容積を一定量ずつ押し出す構造のため、微量塗布には限界があります。
ジェットディスペンサーは、ワークと非接触にて、ナノリットル(nL)レベルの液滴を吐出することができますが、着弾した液滴がワーク上で広がるため、塗布径が小さくなりにくいと言われています。
エンジニアリング・ラボが独自開発したツインエア方式は、従来のディスペンサーとは全く異なる構造をもち、ピコリットル(pL)レベルの極微量塗布を実現する微細塗布に最も適したディスペンサーです。

ディスペンサー種類ごとの特長と微細塗布性能比較

ディスペンサー種類     特長と優位性    微細塗布性能 
1エアーパルス式構造が簡単でメンテナンス性が高い。
安価
 ×
(制御不可)
2スクリュー式
(容積計量式)
高粘度液剤の吐出が可能。
吐出量の変更が容易

(μLレベル)
3ジェット
(非接触)
非接触で吐出でき、ワークとのクリアランスの影響が少ない。
Z軸昇降が必要無く、高速吐出に適している

(nLレベル)
4ツインエア極微量塗布が得意。
セルフサックバック機能により、液だれが発生しにくい

(pLレベル)

ツインエアー式の原理と特長

ツインエア式ディスペンサーとは、エンジニアリング・ラボが独自開発した特許技術を使い、2系統の空圧を個別に制御することで、世界最小塗布を実現します。

2系統の空圧制御とは、シリンジに供給するエア(圧縮空気)圧力を制御することに加えて、シリンジとノズルの間に2段目の空圧制御ユニット(R-unit)を設けることで、ノズル直近に備えられたR-unitの高い応答性により、制御性に優れた液体の吐出を可能にします。

また、R-unitは正圧と負圧を制御することができるため、吐出終了時にセルフサックバク(吸引)を行うことにより、液だれや糸引き、ノズルへの這い上がり防ぐことができるため、塗布線の始点・終点を均一に保ちます。

ツインエア式の最大の特徴は、極微量塗布を高精度で実現できることにあります。ドット塗布時の最小塗布径は40μm、線塗布時の最小線幅は40μm、最小吐出量は数十ピコリットル(pL)を実現します。

また、最大1,000Pa.sの高粘度液を吐出することができるため、導電性ペースト、UV硬化性樹脂、ポリイミド、レジストといった幅広い液剤に対応することができます。 

ツインエアー構造

ピエゾジェットディスペンサーの構造と原理

ワークとのクリアランスが不均一な場合には、非接触式のジェットディスペンサーが有力な選択肢となりますが、微細な非接触塗布を実現するためには、ピエゾアクチュエーターを搭載したピエゾジェットディスペンサーが最も適しています。

ピエゾアクチュエーターの構造はシンプルで、電圧を加えると微細な変形をするピエゾ素子に連結されたロッドが往復運動を繰り返し、液剤室内の液剤に圧力を伝播することによって、ノズル孔から液剤を飛ばします。(右図参照)
ピエゾ素子は数十ミクロンの微細な変位を高速かつ正確に繰り返すことができるため、高精度微量塗布に最適なアクチュエータと言えます。

また、ピエゾ素子は性能が永続するため、エアー(電磁弁)式ジェットディスペンサーのように部品の経年劣化による性能低下が起こりにくく、長期間にわたり高精度を持続することができます。

動作原理

ピエゾジェットディスペンサーの制御方法

ピエゾジェットアクチュエータは、電圧によりピエゾ素子の動作を正確に制御することができるため、バルブが開閉する際にロッドが上昇下降するストロークの長さ、速度、トルク等のパラメータをCPUによりデジタル設定することができます。
吐出量を自在に設定できることはもちろんのこと、液剤の特性や粘度に応じたバルブ開閉の最適なポートフォリオを設定できるため、気泡発生や着弾時の液飛散といったエアー式ジェットディスペンサーで発生しがちな問題を解決することができます。

一般的には、低粘度の液剤は飛散しやすいため、ロッドの下降速度を遅くして飛散を抑え、高粘度の液剤はロッド下降時のトルクを上げて、勢いよく液剤を飛ばす必要があります。一方で、気泡の発生を抑えるためには、ロッド上昇時の速度を遅くすることで空気の吸い込みを防ぐため、ロッド上昇時と下降時は異なるポートフォリオを作成する必要があります。

ピエゾジェットディスペンサーは液剤ごとに最適なポートフォリオを作成することできるため、水状の低粘度液剤からペースト状の高粘度液剤までを1台で対応することができます。

吐出ポートフォリオ設定

最適なディスペンサーを選択するために

ツインエア式とピエゾジェットディスペンサーは、ともに微細塗布に適したディスペンサーではありますが、構造や特長に違いがありますので、狙いの塗布量、液剤の特性(粘度)、ワークの形状、タクトタイム(1秒間の吐出点数)等を踏まえて、最適なディスペンサーを選択する必要があります。

微小塗布をより追求する場合には、世界最小塗布を実現できるツインエアーが最良の選択肢となりますが、液剤の粘度やフィラー径による制約がありますので、液剤の物性を確認する必要があります。また、ワークの形状も重要な要素となりますが、反りがあるワークやキャビティ構造であれば、ノズルの近接可否を確認して、ツインエアー(接触式)かジェット(非接触)を選択することになります。

生産性(タクトタイム)も考慮した上で、最適なディスペンサーの選定を進めますが、実際の液剤やワークを使って、検証することを推奨しております。エンジニアリング・ラボでは、テクニカルセンター(長野県松本市)と品川ショールーム(東京)に、ツインエアとピエゾジェットディスペンサーを常設し、お客さまから支給された液剤・ワークを使って、検証テストを実施しております。

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